「名字が違うから、そう簡単には気づかれないんだよな。
その辺、柿原はちゃんと考えてるんだろうな」
そんなこと言いながら、榊副隊長もグルだっりして。
そう思ったら、もう誰も信じられないな。

「結婚する前からここでは働いてましたし、この名字の方が馴染んでるんです。翔太さんも職場の人に勘付かれたら大変だって言うから、私は旧姓のままにしてるんです」
翔太さんって誰?
あぁ、柿原隊長か。
あの人、翔太さんって呼ばれてるんだ。

家ではどんなふうなんだろう。こんな優しい奥さんいるんだから、意外とデレてたりすんのかな。
え…。想像つかねー。
知りたいような、知りたくなような。

「指輪も、してないんですね。柿原隊長も職場では外してるし…」
「ここでは、食べ物も触るから指輪は外しておきたくて。翔太さんも、仕事上の理由で指輪は外すようにしてるって言ってましたよ」
柿原隊長の場合は、絶対にばれたくないからだよ。その理由しかないよ。
今ここで、職場では泣く子も黙る鬼隊長だってこと、バラしてやりてー!
それにしても、聞けば聞く程2人が夫婦って事実が明るみになってくるな。