《小澤》

あー、美味しいコーヒーだなー。
眠気もスッキリ。なのに頭は大混乱。

あぁ、本当なんですね。
最悪、柿原隊長の悲しい妄想でしたなんてオチを期待してた自分もいたんですけど、本当に本当なんですね。
喫茶店で泣きそうな俺は、どしたらいいんだろう。
こんな複雑な気持ち、初めてだ。

「じゃあ、ようやく話せたんだ。
実は、小澤さんに報告するつもりだって聞いたのは結構前だったんですよ。
だから、なかなか言い出せないんだろうなって心配してたんです」
八城さんが柿原隊長の奥さんだなんて。
どう見たって、ラスボスと捉えられた姫にしか思えないんですけど。この組み合わせに違和感しかない。

柿原隊長からは、結婚のことを職場では言わないように口止めされた。
鬼隊長の異名を持つ理由についてももちろん口外禁止とされた。

なんだこの極秘プロジェクトは。
八城さん、まさか騙されてるんじゃ…。
本当に囚われの身なんじゃ…!