強がりな私の日々

ー数日後。(退院の前日)

昨日の夜も発作が出た。私はあの日から体調が良くない。理由は多分、心があの日からずっと不安定だからだ。

奏翔「入院伸ばしてもいい?」

「でも、単位…」

奏翔「大学には診断書を出して、お母さんにもちゃんと話そう。」

「そんな…私、普通の生活がしたい。せっかく全日制の大学に入ったのに、また私…」

私はまた涙を流した。元気な子に生まれたかった。

「大丈夫だから、退院する。」

奏翔「噓つくな。今日だって微熱でまだ貧血も治ってないし、毎日のように発作が出てるだろ。そんな状態でで1人にさせられない。」

「奏翔さん…」

とりあえず、もう2週間は入院することが決まり、その間に色々な手続きを奏翔さんがしてくれることになった。

高校生になった時に私の主治医になった奏翔さん。その頃から私の保護者のように私の面倒を見てくれている。病気のことだけでなく、生活のことまで。本当にありがたい。お母さんと奏翔さんは私のことでよく言い争いをしているがいつも結局、最後はお母さんが奏翔さんの言うことを聞くらしい。なぜなら、奏翔さんの方が一緒に過ごしている時間が長くて私のことについてよくわかっているから。母親としてどうなのかと思うこともあるけれど、この環境で生活できるのはお母さんがいるからだ。病気の治療費、中学受験の費用、私立の中高大に通うための学費。とても自分じゃ払えない。

大学の学科長との面談、手続きも奏翔さんがほとんどしてくれた。でも、大学は高校と違って教授ごとで考え方に左右されるため、手続きが難しかったそうだ。とりあえず、課題で対応してくれる教授が思ったより多くて安心した。退院の時期が決まり次第でまた奏翔さんが手続きしてくれるそうだ。