強がりな私の日々

ー次の日

朝には弱いため、朝は体調が良くなかったが昼には元気になっていた。昼ご飯も昨日の夜と同じぐらいの量は食べることが出来た。奏翔さんが許可を出してくれて午後外来がなかった省太先生と共に小児病棟に訪れた。

私も小学生や中学生の頃、ちょこちょここの小児病棟に入院していた。また、高校生になってからも入院の度にここに遊びに来ていた。学校に友達のいない私。でもここには、たくさんの友達がいる。私の大事な居場所だ。

「みんな、久しぶり」

子ども(愛美)「あっ、夢菜お姉ちゃん。また入院なの?」

「そうだよ、いまのところはGWだけだけどね。愛美ちゃんも今入院してるんだね」

愛美ちゃんは今年で中3になった。1型糖尿病を持っている子でちょこちょこ入院しているここのみんなのお姉さん的存在だ。私も少し前まではそうだった。


みんなと過ごす時間はあっという間だった。色々な話をしたり、絵をかいたり小さな子に折り紙を教えたり本当に楽しい時間だった。省太先生も子どもたちとたくさんコミュニケーションを取っていて、子ども達と関わるのが上手だった。ほんと省太先生みたいな人憧れるなぁ。

でも、私は車椅子から立ち上がって座り直そうとした時、目眩に襲われた。いきなり立ったからだろう。ふらついてしまった。たくさんみんなと話して少し疲れていたのもあったんだろう。そして、省太先生はこの時タイミング悪く、私の方を見ていた。

省太「夢菜?帰ろ」

「大丈夫だよ?」

愛美「でもお姉ちゃん今…。」

省太「知ってる。愛美ちゃん見てたもんな。そうやって、年下の前でも強がって無理するんだ。夢菜、みんなのお姉さんでしょ?」

「わかった。病室戻る。みんなまたね。」

また、小児病棟には退院前に調子が良い時にあいさつしに来よう。省太先生の言うことを聞いて私は病室に戻り、休むことにした。さっきの目眩が理由で少し頭も痛い。

省太「奏翔、呼ぶか?」

「いい。発作とか出てないし、1時間ぐらいすれば頭痛も治まると思うし」

省太「じゃあ、寝とけ。目眩なりやすいんだから、もうあんな風に急に立ち上がるなよ。奏翔には言うだけ言っとくな。」

「ごめんなさい。おやすみ。」

いつの間にか2時間も子どもたちと遊んでたのでいつの間にか疲れていた私はすぐ寝た。でも2時間で疲れるなんて本当に身体が弱すぎる。

ー数時間後

目が覚めた私は気持ちが落ち着かなくて涙をたくさん流した。こんな自分が嫌で嫌で仕方がない。

私は昔から身体が弱かった。病弱で風邪や貧血に良くなる子どもだったし、喘息と心臓の病気は赤ちゃんの頃から。そして、高校生の時に起立性調節障害と診断を受けた。

ー奏翔side

噓ばかりつく夢菜。夕方も噓をついていたと省太に聞いた。大学の課題だって教授に言えば考慮してもらえるのに昨日の夜やっていたのを知っている。

普通の子でありたい。だから、元気に見せて多少は無理をする。頑張る。そうしたい気持ちはわかるし、みんなそうだ。俺も頑張っている自分が好きだし、多少の無理はしたことがある。でも、夢菜は俺や皆のように身体が強くない。だから、無理をしないで欲しい。