私達の物語が始まったのは中学校2年生の
夏休みの終わり頃だった
私は病室にいて、悠とお話していた
「沙由美ごめんね、 夏休みに海行けなくて」
「ううん、 別にいいよ! 悠がいるだけで私は嬉しいよ!」
私達は中学校1年生の頃から付き合っていて、学校でも学年一仲良しカップルと言われるくらいだった。
「そっか… 俺も沙由美がいてくれるだけで嬉しいよ」
「えへへ、 なんか照れる!あーあずっとこんな日が続けばいいのに、もうすぐ学校だから悠とも会えなくなっちゃうよ」
「そうだね、学校始まればお互い寂しくなるね」
本当にその通りだ、私は学校に行けば悠はいないし、悠は私が学校だから病室で1人だしどちらにもいいことがないのだ
「悠がいない学校とか楽しくないよー、病気 早く治してね?」
「うん、 早く沙由美とデートとかしたいな。あっそうだ沙由美約束して欲しいことがあるんだ」
「なぁに?」
この悠が言った言葉で私の人生は大きく変わった
『僕がどんな所にいても必ず見つけだしてね』
「へ…?いきなりどうしたの?悠」
「もしおじいさんになって死んじゃたら、天国に行くでしょ?そこでも沙由美と会いたいなって思って!」
「なぁんだ!そういう事か!うん、 いいよ! 私も天国で会いたいしね」
「沙由美って天国信じるんだね」
「はぁー!?悠がそういう事言うからでしょ?まぁもしあるとしたら天国でも転生しても絶対見つけだすから!!」
「はいはい、あっそろそろ6時になるよ。門限じゃない?」
「あっホントだ、もう帰らなきゃそれじゃあ悠また明日ね!」
「うん。沙由美じゃあね」
これが悠と私の最後の会話だった
その日の夜、悠から着信がきた
「もしもし?どうしたの?こんな遅くに」
「すみません…沙由美ちゃん、悠の母の真理です。」
電話の相手は悠のお母さんの真理さんだった。
真理さんとは悠の家に行ったときに結構話が合って仲良くなった
でもどうして悠のスマホから私に電話かけてきたんだろ?
「真理さんどうしたんですか?悠のスマホから電話するってことはなにかあったんですよね?」
「…沙由美ちゃん、今から言うことは落ち着いて聞いてほしいの」
この瞬間悪寒がした
勘づいてしまったのだ私は
『悠が亡くなりました』
聞いた瞬間頭が真っ白になった
悠が亡くなった?
もうすぐ退院って言ってたじゃない
どうして?
あの約束は今から死ぬから言ったの?
「…そうなんでずが」
私は泣きながらそう言うと真理さんは気まずそうに返事をした
しばらくすると真理さんは気を使ってか電話を切ってくれた
電話が切れた後私は泣きまくった
もう涙が出てこないんじゃないかってぐらい泣いた
でももう悠はいないと思うと私の涙は零れていった