私はあの日誓ったんだ。
突然大切な人を失ったあの日。
受け入れられない事と、これから向き合わなければいかない事が同時に襲ってきた日。
お父さんとお母さんに誓った。
笑紅は必ず私が守るって。
だから叔母さんに
「私が管理してるシェアハウスに来ない?」
って言われた時には
お父さんとお母さんが
助け舟を出してくれたんだと思った。
お父さんとお母さんを失った今、
頼れる親戚はお父さんの姉である
叔母さん1人だ。
住んでたマンションの家賃は
バイトを始めても
到底払える額ではなかったし、
笑紅もまだ小さい。
それにこの方法なら高校に進学しても
なんとかやって行けるかもしれない。
支援金から学費を出して、
バイト代で生活をして、
お父さんとお母さんが残してくれたお金は
出来るだけ使わずに
笑紅が夢を持った時に使ってあげたい。
悩まなかったと言えば嘘になるが、
私の中に選択肢がこれ以外に
あったというと嘘になる。
だから、次の日には返事をした。
……私が笑紅を守るんだ。



