私は小波雫。
小波会社に生まれた唯一の跡取りだった。小さい頃から私は会社を継がなければならないからと色々な教育を受けて来た。
お母さんもお父さんも私には構ってくれない。いつも仕事に励んでいた。  
別にそれが嫌だったわけではない。ただ会うたびに

「雫礼儀正しくしなさい。小波会社の跡取りに相応しくするのです。」

「はい。」

私は小さい時から動くことが大好きでおとなしい子ではなかった。それでも精一杯礼儀正しくしようと努力してたけど、そんなある日。

「雫今から大切なパティーです。しっかりするのですよ。」

お母さんにそう言われて礼儀正しくしようと頑張っていたけれど。
そのパティーの席で私は盛大に転んでしまった。だけでなく、食べ方や歩き方全てにおいてお母さんの機嫌を損ねてしまったらしく家に帰ってから私はお母さんに打たれた。

「あなたね。私の娘らしく礼儀正しくしなさいよ、そんなに恥をかかせたいの!」

私はお母さんが大好きだった。いつも綺麗で礼儀正しくとても美しいと思っていた。私の憧れだった。
だから…

「ごめんなさい。お母さん別にお母さんに恥をかかせたいわけじゃなくて。頑張ったんだけどできなっ」

私は小さいなりに頑張ってお母さんに自分の努力を伝えようとしたけど

「ふざけないで頑張ったならちゃんとしなさいよ」

お母さんは許してくれるどころかその時から私を名前で呼ぶことがなくなった。
お父さんはお母さんが大好きだったから何も言わずにただ私とお母さんの会話を見ているだけだった。