「今日はさ、モンサンミッシェルの写真を撮りに行きたいんだ」

園子ちゃんがそう言ったので、私たちは電車に乗ってモンサンミッシェルへ朝ご飯を食べるとすぐに向かった。立派な美しい修道院が目の前にある。

「うん！やっぱり綺麗！！」

はしゃぐ園子ちゃんとともに、私はモンサンミッシェルを刊行する。まあ、園子ちゃんはあちこち写真を撮るのに忙しそうだけど。その時、「マドモワゼル」と話しかけられた。

変装したルパンさんが、私に小さな紙を渡す。私がそれを受け取ると、ルパンさんは微笑んで私から離れていった。

「今夜、十時に××に来てください」

それは、パリの外れにある廃工場だ。一度肝試し感覚で園子ちゃんと訪れたことがある。少し不気味な場所。でも、ルパンさんが指定したということは何かあるんだよね。

私は紙を大切にポケットにしまった。



そして、夜がやってきた。園子ちゃんにはワインを飲ませて早くベッドに寝かせる。そして、一応メモを置いて家を出た。

パリの外れに向かって歩いていくと、人もだんだん少なくなってくる。ナイフで脅された時のことを思い出し、私は何も起きませんようにと祈りながら指定された場所へ向かった。