先輩の彼女

そして一週間後、同じ店で絹花と待ち合わせをした。

「この店、気に入ったの?」

絹花に聞いてみると、早速ビール片手に、きゅうりをポリポリかじっている。

「だってこの店、彼の会社の近くなんだもん。」

「はあ。」

その彼って、前回私と同じ会社だって、言ってなかったっけ?

彼だけじゃなく、私も会社の側なんだけど。

そんな細かい事を気にしながら、私もおつまみに頼んでおいたきゅうりの漬け物を、絹花と一緒に頬張る。


「で?いつぐらいに登場予定なの?絹花の彼氏。」

「すぐ来るって、言ってたんだけどな。」

その時、絹花のスマホがピロンッと鳴った。

「えっ!」

「どうしたの?絹花!?」

難しい顔をした絹花が、こっちを向く。

「仕事まだ終わってないって。遅くなるかも。」

「え?今日飲み会だって、知ってて?」

「もう、あいつ最悪!」

絹花が怒りながら、返信を打つ。