先輩の彼女

私はビールのお代わりを追加した。

一緒に絹花も、お代わり。

「いいのよ。ただ話を聞いてるだけで。それで、率直な感想を聞かせて欲しいの。」

「だってそれでもし、私が絹花に相応しくないって言ったら?」

すると絹花は、突然不機嫌顔。

「そりゃあ、嫌だけどさ……」

「ほらあ。お互い良いって言ってるんだから、相手と自分を信じればいいじゃん?」


納得できない絹花は、運ばれてきたビールを一気のみ。

要するに、自慢の彼氏を親友に見せびらかしたいだけ?


「……それか、気になる部分でもあるの?」

「ない。」

サラダを食べながら、肘がガクッとなる。

「益々問題ないじゃん。」

「そこが、落とし穴だったりするのよ。」

絹花は、横から私を押した。

私はサラダと一緒に、揺れる。

「結婚してから周りに、『ああ、やっぱり会った時に、そう思ってたんだよね~。』って、言われたくないし。」