先輩の彼女

「ああ、編集部の人じゃないよ?」

すかさず絹花が、フォローしてくれた。

「ああ、よかった。」

私は力が抜けたせいか、椅子にもたれ掛かる。

「彼も数年前、営業部に移ったって言うから、もしかしたら、営業部に知らずにいるかもよ。」

私は思わず、絹花の方を向いた。


絹花の彼氏が、営業部にいる?

えっ?

それはそれで、問題じゃん?

ある日突然、『ちょっと絹花ちゃんの事で、相談なんだけど?』って言われても、私思いっきり絹花の味方するよ?


「でさ。一つ久実にお願いがあるんだよね。」

「お願い?」

何でもできる絹花が?

キョトンとしている私を他所に、絹花がビールのお代わりと、サラダを注文した。

「その彼氏とさ。結婚を考えてるの。」

「結婚!?」

驚いて私は、ビールを溢しそうになった。

「えっ?結婚って、早くない?私達、まだ25歳だよ?」

「もう25歳だって。それに3年も付き合っているし。」