先輩の彼女

まあ、スタイルがいい上に、ぱっちりお目々の長い睫毛とくれば、男が放っておかないんだけどさ。

「しばらくは日本にいるの?」

「はははっ。もう久実ってば。今回はたまたまNYで仕事が入っただけ。私の仕事の拠点は、いつも日本だよ。」

そうは言うけれど、1年に1回は、NYに行っている気がする。


「久実は?新しい漫画家さん、付いた?」

そうそう。

まだ絹花には、異動になった事。

話してなかったんだよね。

「実はさ。私、営業部に異動になったんだ。」

「ええ!?久実が?大丈夫なの?営業って。」

「うん……まあまあ。周りに面倒見のいい先輩がいるんだ。」

「よかったじゃん。いつから?」

「それが昨日から。」

私と絹花は、おつまみに漬け物を頼んで食べた。

いつも不思議に思われるんだけど、絹花とはなぜか、漬け物を最初に頼んでしまう。


「で?恋愛の方はどうなの?彼氏できた?」

絹花が、肘でつついてくる。