先輩の彼女

10分ぐらいで、駅には着いたと思う。

そのタイミングで、間野さんから電話が架かってきた。

『斎藤。どこにいる?』

「今、駅の東口の前にいます。」

『東口?あっ。そこで待ってろ。見つけた。』

見つけた?

電話を切りながら、周りを見渡すと、右の方向から間野さんが歩いてきた。


なんだか、デートの待ち合わせみたいだ。

しかも、私を見つけてくれるなんて。

なんであんな遠くから、私だって分かるのかな。


ドキドキしながら間野さんを見つめていると、ふと視線が合った。

「先輩、お疲れ様です。」

「お疲れ様。大変だったな。」

「いえ。私が悪かったんです。」

間野さんを見て、落ち込んだ気持ちも、無くなっていく。


「行こうか。今、ちょうど空いてるだろうし。」

「はい。」

そう言えば、お昼を一緒に食べようって、待ち合わせていたんだっけ。