先輩の彼女

私と間野さんは、何回も頭を下げながら、お店の外に出た。

「このお店の閉店時間って、何時なんですか?」

「21時だ。」

私は時計を見た。

20時50分。

閉店まで、まだ10分ある。

「まだ、店員さんも閉店の準備してなかったみたいですけど。」

「そこを先回りして引き、業務の邪魔をしないのも、営業の仕事だ。」

「なるほど。」

正味、10分程。

車で2時間半かけてやってきた割には、なんとも短い引き渡し時間だ。


「ようし。これからコンビニに行って、帰るぞ。」

「は~い。」

そして今から、とんぼ返り。

「帰りは、私が運転しましょうか?」

「いや、いい。お前の疲れた顔見てると、危なくて任せられん。」

間野さんにバレないように、舌を出して、助手席に乗った。

「近くにコンビニあったな。そこへ行こう。」

「はい。」

間野さんの運転で、コンビニに入り、お弁当を買おうとした。