先輩の彼女

もしかして、ファミレスに連れて行ってくれるのか?

目の前が、パァーッと開けた。

「店に着いて本を貰ったら、どっかコンビニに、寄ってやるからな。」

私の視界が急に、暗くなる。

コンビニ。

今日の夕食は、コンビニ。

営業部へ移動の初日の夕食が、コンビニ。

心で泣きながら、私はまた窓の外を眺めた。


「よし!ここまで来たら、もうすぐだ。」

一人、間野さんだけ、テンション上がってる。

「間野さん、楽しいですか?」

「ああ、楽しいな。斎藤は、楽しくないか?」

「まあ、そこそこ。」

だって、もう辺りは暗いのに、まだ仕事してるって。

「あのなぁ。元はと言えば、誰のせいでこんな場所まで、来てると思ってんだよ!」

「はははっ!楽しいです!間野さんと、ドライブ!」

「ドライブじゃない!営業だあ!」

「そうですね!営業営業!」

間野さんの読めないハイテンション。

確か書店周りの時も、笑えとか言ってなかったっけ?