先輩の彼女

私は部長と話している間野さんを、遠くから見つめた。

レディコミの棚が小さい書店を選んだのは、私が初日だから?

大きな書店を一つ入れたのも、私がやり易いから?


「間野さんって、優しいんですね。」

「えっ!!」

白石さんが、飛び上がる程驚いていた。

「斎藤さん、間野先輩に何かされた?」

「何かって?」

「あの先輩が優しいだなんて……」

気になる答えを聞く前に、間野さんの大きな声が、響き渡る。

「白石。頼んでおいたタイトルの在庫、倉庫で探しておいてくれたか?」

「ああーええー。」

白石さんは、急に後ずさりを始めた。

「……探しましたけれど、やっぱ無かったです。」

「どのくらい探した?」

「ええーっと……15分くらいですかね。」

すると間野さんは、持っていた封筒を、白石さんの頭の上に落とした。


「もう一度探して来い!」

「今からですか~」

「斎藤も行け。」

「えっ!?」