先輩の彼女

ちらっと間野さんを見たけれど、間野さんも自分のファイルを見ていて、私の事なんかお構いなし。

まっ、いいや。

「OLさん多し。レディコミ大手の月島社が、棚一つを占領。自社はその向かいの棚、1/8程度……ええっ!」

そういや、さっきの渡辺さんも、『レディースコミックの中でも売れてるのは……』って。

もしかして、この月島社の事を、言ってたの!?


「おい!大丈夫か?」

「は、はい。」

「斎藤、お前行く前から負けてるじゃないか。」

「はい、負けました。」

再び薄い封筒で、頭を叩かれる。

しかも今度は、横から。

「バカな事言ってないで、行くぞ。」

「……はい。」


大きな自動ドアを潜り抜け、いくつもある棚の森をさ迷う。

中央に大きなカウンター。

何人もいるレジ係り。

何列にも並ぶお客さん。

大人の人も、たくさんいる。

さっきのお店と、1駅しか離れていないのに、こんなに印象が違うなんて。