先輩の彼女

するとまた間野さんは、薄い封筒で今度は前から、パシッと私の頭を叩いた。

「論外。」

「はい。」

「これじゃあ、今から俺があーだこーだ言っても、ポップの一つも飾って貰えないだろうな。」

私の胸にグサッと、何かが刺さる。

「とりえあず、渡してくるだけでも!」

「無理。ポップ一つ作るのに、いくらかかっていると思うんだ?渡しても、飾って貰えないなら、無駄な経費だ。」

そして次に、頭にゴンッと何かが落ちる。


「次、行くぞ。」

「はい。」

重い体を引きずりながら、次の店へと向かう。

たどり着いたのは、オフィス街の一角にあるお店。

「ええ~っと。この店は……」

「おっ!この短い間で、成長してる!」

ファイルを開く私に、間野さんが冷やかしにかかる。

「そりゃあ私だって、社会人4年目になるんですから、言われた事は、すぐ実行しますよ。」

ちょっと嫌みそうに言っている。