先輩の彼女

そして、後ろから薄い封筒で、頭を叩かれた。

「痛っ!」

「嘘つけ。」

予想通りの間野さんの登場。

「どうだ?担当者。」

「はい……レディースコミック担当の方ではなかったみたいで、曖昧な答えしか貰えませんでした。」

「ふぅ~ん。」

私の答えを聞いて、間野さんは私に手を差し出した。

「ファイル見せて。」

「はい。」

持っていたファイルを間野さんに渡すと、ぺラッとページを捲られ、逆にそれを見せられた。

「ここにこの店の情報、書かれてる。」

「はい。」

間野さんは、重要な欄をスッスッと、指差していく。

「担当者、無し。」

「無し!?」

「大学が近い為、若者向けを多く取り揃えている。レディースは棚自体、年々縮小。」

「ええ~。」

私は膝がガクガクしてきた。


あの渡辺さん、だから担当者でもないのに、答えてきたんだ。

「これ、店の人を話す前に読んだか?」

「……いいえ。」