先輩の彼女

頭にグサッと言葉が刺さり、私はそのまま間野さんと共に、エレベーターを昇って行く。

部屋に着くと、広いリビングがお出迎えしてくれ、間野さんが、コップに水を注いでくれた。

「飲め。」

「はい。」

言われた通りに、一気に飲み干すと、顔にバスタオルが飛んできた。

「痛い!」

「早く風呂入って、寝ろ!」

そう言った間野さんは、寝室からタオルケットを持って来て、自分はソファに横になった。

「あ、あの!私がソファに寝ます!」

「いいから、斎藤はベッドで寝ろ。」

「でも!」

「ソファにお前の髪の毛が付いててみろ。絹花に殺されかねない。」

鬼のような形相の絹花が、頭の上に浮かぶ。


「分かりました。一晩だけ、お借りします。」

「おう。」

間野さんの返事が、いつものより眠そうで、可愛く見えて困った。

「シャワー、お借りします。」

「ああ。」

目の前に転がっているバスタオルを拾い上げ、私はバスルームに向かった。