先輩の彼女

叫んだ相手は、さっきのお偉いさん。

なんだ、部長だったんだ。

そんな事をしみじみ思っていると、間野さんは突然私の腕の中に、さっきの資料をドサッと置いた。

「今、そっちに持って行きます!」

そう言って間野さんは、私の背中を随時押しながら、ミーティング室へ。

私も一緒に、資料を配る羽目に。

「君。来週からなのに、大変だったね。」

「いえ。時間は余ってましたので。」

頭を下げて、私と間野さんは、ミーティング室を出た。


「斎藤。ちょっと来い。」

「はい。」

早速説教か。

がっくりしながら、間野さんに付いて行くと、そこは休憩スペース。

「ここ、コーヒー何倍でもタダだから。あっ、コーヒー飲めるか?」

「はい。」

すると間野さんは、私にコーヒーを注いでくれた。

「有り難うございます。」

両手で受けとると、少し熱かった。

「いやいや。こちらこそ、助かった。」