「じゃあ、ここで!!」

2時間ほど話し込んでしまって、
カフェを出たら外はすっかり暗くなっている。

里沙は右手を上げて「ばいびー」と笑う。
ほんっと可愛い。
惚れちゃうよね、ほんとに。

私と連は帰り道が途中まで同じだから一緒に帰る。
いつもの流れ。

「おまえさー、なんかあったろ!絶対。」

「えっ...な、なんでそう思う?」

「隠しきれてねーつーか、」

連は意外と人のことを見てる。
だから嘘ば絶対バレる。

「…もしさ、会いたかった人に会えたら連はどうする?」

「は。」

やっば。何言ってんの私。

連はよくわかんねーって顔で私を見る。

「な、なんでもない!!忘れて!」

「会ったの?」

「え?」

連が真剣な顔で私を見つめる。
今まで見たことないような

「前に話してたやつ。」

一度洸のことを話したことがあった。
まだ高1のときでいつも洸のことばかり考えては
泣いていた。
なんでも言えって話を聞いてくれたのが連で、
たくさん救われた。
だから連はしってる。
洸が私にとってどんな人なのかを。

「やめとけ。」

連は小さな声で言った。

「‥え、」

「またあんなふうに泣くならもうやめろ」

優しい声と優しい手で頭を撫でられた。

こんな風に言われるとは思わなかった。

「ありがとう」

ただそれだけ言いたかった。

「おう」

連は少し恥ずかしそうに頭を掻いた。
こんないい人二度と出会わないだろうなーなんて思う。