こんな心細い時に現れてくれるなんて、陽斗くんは王子さまかと思った。 ピンチの時に現れる、少女漫画に出てくるようなスーパーヒーローかと思った。 「1人なの?大丈夫?」 やっとの思いで玄関を開ければ、多分まだ制服姿の陽斗くんがいた。 「だ、駄目……」 たった1人の存在が、こんなにも心強いなんて。