その時、


──ピーンポーン

あたしのうちのチャイムがリビングに鳴り響く。



「こんばんはー」

と同時に、陽斗くんの声が耳に入った。



ドアを開けに行ったのはお母さんだけど、なんせ狭いアパートなもので玄関の向こう側なんて簡単に見えてしまう。


「お菓子買い過ぎちゃって」

そう続けて悪びれも無く笑う陽斗くんが、コンビニの袋を両手に持って立っていた。