全然、知らなかった。 陽斗くんって妹いたんだ……。 もちろん陽斗くんが隠してたわけじゃないのは分かる。 ゙妹がいるんだー゙なんてわざわざ言うことじゃないし。 「さち、どうしたの?」 お母さんは、箸を止めるあたしに気付いて首を傾ける。 「別に何でもないよ」 あたしは首を大きく横に振って、慌てて手を動かし出した。