「さーちー、ご飯よー」 1人で過ごしたくても夕飯の時間にはリビングにいかなくちゃいけなくい。 布団に転がっていたあたしは、重い腰をおこした。 小さなダイニングテーブルに椅子が3つ。 いつもと何ら変わらない夕食の風景。 「それでねー、向かいの田所さんの旦那さんがね」 「そうかー、大変だな……」 「しかも、そのお母さんがね……」 いつもの様にお母さんがどうでもいい世間話をして、お父さんが興味なさそうに相槌を打っている。