「さっちゃーん!おはよー!学校今から?」 学校へ向かうのに、アパートのドアを開ける。 「俺も俺もー、今から行くとこー」 偶然なのか、待ち構えていたのか……。 陽斗くんが人懐っこい笑顔をあたしに向けた。 「朝早いよね!!自分で起きてるの?」 「……陽斗くんも早いじゃん」 「ほらほら俺はさー、電車の時間があるから」 知ってるよ。 だって、何回も聞いたもん。 引っ越して高校が遠くなっちゃったからって。