彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「ヘルメットマンはそれでいいとして・・・凛が気にしてる鳴海瑠華だけどよ。」

「え?瑠華さんがどうなりましたか?」

「神城が呼んだ埼玉のサツに連れられて、『GREAT STAGE』に対して被害届出したぞ。」

「本当ですか!?よかった~!!」



泣き寝入りしないか不安だったけど、よかった!





(これで罪が重くなるわね~永山グレイト!ザマーミロ!!)





ピヨピヨピ♪





その時、LINEの通知音がした。





「あ。」

「かまわねぇ。確認しろ。」

「すみません。」





断りを入れてスマホを見る。





「瑠華さんからLINEが!?」





―取り調べはひとまず、終わり。今はあやめ姉の迎え待ち。心配しないで。―





「無事、取り調べが終わったみたいです。」

「そっか。待ってたんだろう、鳴海の連絡?」

「はい!」

「じゃあ会って来い、凛。」

「え!?」





私のスマホをのぞき込みながら、瑞希お兄ちゃんは言った。






「ケアして来い。」

「ケア!?」

「鳴海のスマホのGPS、凛のスマホの中に入れておいた。それで場所は追える。」

「いつの間に!?」

「ちょっと行って、はげまして来いや。」

「ぼ、僕がですか?できるでしょうか・・・」

「出来る。」






戸惑う私に、好きな人が断言した。






「今、鳴海瑠華に必要なのは、凛の優しい心だ。」

「瑞希お兄ちゃん・・・」






瑞希お兄ちゃんができるというなら





「わかりました。」





出来る気がした。





「それではいってきます。」





(神城さんにできなかったこと、どこまで僕にできるかわからないけど、できる限り――――――・・・・・!?)





「あの・・・」

「ん、どうした、凛?」






そこまで考えて、気になっていたことを聞いた。