「すみません!僕がきちんと、『GREAT STAGE』を見ていれば―――――――!」
「凛のせいじゃねぇよ。もう修理の工事始まってるから問題ねぇ。」
その言葉通り、工事の人が数人、1階で作業していた。
「まあ、詳しくは俺の部屋で話そうぜ。五十嵐、和室は無事だから、そこで時間つぶしてろ!」
「はーい!ラブラブお二人の邪魔はしませんわ~!うはははは!」
ヤマトの冷やかしに照れ臭くなる。
瑞希お兄ちゃんは気にすることなく歩き出す。
そんな態度が嬉しくて、ドキドキしながら瑞希お兄ちゃんについていく。
瑞希お兄ちゃんの部屋に行くまでに見た被害は、一階のカウンター周辺だとわかった。
私の定位置が破損していたけど、キッチンは無事。
キッチンが無事なら―――――――――
「来週には、修理が終わって、店は再開できる。」
ポンと私の頭に手をおきながら、瑞希お兄ちゃんがおっしゃる。
椅子やテーブル破壊しながら、カウンターテーブルのとこで止まったんだよ。
「ひどいヒットマンですね・・・」
「まあな。」
そのまま瑞希お兄ちゃんの部屋に案内される。
室内には誰もいなくて二人きり・・・♪
「他の皆さんは?」
「予定入ってんだ。今回の件、簡単に結果だけ伝えとく。」
座れと言われ、机をはさんで向かい合わせに座れば言われた。
「永山グレイトは実刑行きだ。『GREAT STAGE』は解散な。ニュースにはならないが、お手柄だぞ、凛。」
「成敗成功なんですね!?よかった!」
「ただし、美涼って奴が、まだ逃走中だがな。」
「え!?そうなんですか!?それならあのとき、拘束しておけばよかった・・・」
「気にすんな。パクられるのも時間の問題だ。その気持ちは次にいかせ、凛。あれもこれも、最初から完璧にはできねぇよ。」
「すみません。」
「だから謝るなって!幸い、龍星軍の関わりはバレてねぇ。」
「よかったです。」
「そんなに凛は目立つのが嫌か?」
「はい。目立ちたいからしたわけじゃないです。」
(てか、恋愛の邪魔にしかならないもん!!!)
「『漢』だな、凛。」
本心を隠しながら言えば、感心したように瑞希お兄ちゃんがおっしゃる。


