ヤマトの家で、凛道蓮から菅原凛になる。
「うはははは!りーん!さっきは災難やったがもう大丈夫や~わしが瑞希はんのところまで送ったるさかいなー!?」
「ありがとう、ヤマト・・・・・お願いします。」
「うはははは!ええねん、ええねん!小腹すかん!?なんか食べてく!?」
「大丈夫・・・。」
「よっしゃ!厄払いにはおもちがええねん!ほれ、イチゴ大福や!うははははは!」
「いや、大丈夫なんだけど・・・・・」
「うはははは!イチゴあかんか!?みかんとマスカットとチョコがあるけど、どないするー!?」
「だから――――――ああ、もういいよ・・・頂きます。イチゴ大福、ありがとう。」
「どーいたしまして♪うはははははは!!」
基本、人の話を聞かない世話焼きさんのヤマト。
あきらめて和菓子をもらって口に運んだ。
最近はロッカーを使うことなく、ヤマトの部屋で凛道蓮に変身してた。
ぶっちゃけ、その方が安全と言えば安全で・・・・・見張り役がいてくれるのはやっぱり助かった。
「ほな行くで~!うははははは!」
「お願い致します。」
だから今日も、ヤマトの後ろに乗せてもらって瑞希お兄ちゃんの家へ向かった。
到着する頃には、日が完全に傾いていた。
夕日を浴びる瑞希お兄ちゃんの家は、1階にブルーシートが張られていた。
そのシートの側に、愛しのお方がいらっしゃった。
「瑞希お兄ちゃん!!」
「お!?来たか、凛ー?」
「瑞希お兄ちゃーん!!」
ヤマトがバイクを止めるや否や、大好きなお方に抱き着く。
瑞希お兄ちゃんは私を抱きとめて、ヨシヨシしてくれた。
「今日も元気だな、凛。」
「瑞希お兄ちゃんのお側だと、元気になれます!」
「上手いこと言うな、こいつぅ~」
「それはそうと・・・ひどいですね。」
「ん、まぁな~」
周辺を見渡した感想を述べれば、苦笑いで答えてくれた。
残骸(ざんがい)は片付けられていたが、ドアはなくなり、ガラスのない枠がある状態だった。


