「リンリン、やりすぎ系!」
「凛道あいつ、殺す気か!?」
「あかん!止めるわ!」
そう言って、私を止めようと近づく龍星軍の仲間達。
違う。あなた達じゃない。
「瑠華を蹴落としてでも、妹を後釜に添えたかったんだもんなぁ~亜都司くーん!?」
「亜都司はそんな奴じゃねぇ!!」
ヒールを演じる私を止めるのは―――――――――――
「龍ちゃん!」
「龍志!」
亜都子ちゃんと瑠華さんが名前を呼んだ男。
神城さんに、私は殴られるとわかった。
「――――――――――やめろ凛道蓮!!!」
バキッ!!
「ぐっ!」
「凛!?」
「凛さん!」
「うははは~殴られよった!」
(そうよ、殴らせたのよ。)
キツイ拳が体に入る。
「うっ!?」
予想していたイレギュラーは、やっぱり強かった。
「亜都志だけじゃねぇ。亜都子もそんな下品な女じゃねぇ。どっちも俺の大事な存在だ。」
「りゅ、じ・・・!?」
「龍ちゃん!!」
「亜津司は俺のツレ、亜都子は俺の女だ。これ以上、傷つけることは許さねぇ!!こいつらだけじゃねぇ。俺についてきてくれる『闘邪駆鬼』の仲間全部が、俺のすべてだっ!!」
「龍志さん!」
「総長・・・!」
「・・・神城先輩!」
「次、そのセリフを言ったら前歯飛ばすぞ4代目!?」
有無を言わさぬ迫力。
(少しは、こいつに花を持たせないとね。)
良い展開だと思いながら悪役を演じた。
「だったら、ちゃんと守れボケ。二度と、俺らの縄張りをうろつくなクズが・・・!」
「まだ言うのかテメー!?」
ドカッ!
「うっ!」
今度は、けられる。
かろうじて受け身はとれたが、さすがは闘邪駆鬼の総長。
(骨へのヒビとかダメージはないと思うけど・・・)
「ゲホゲホ!」
しまった!本気で苦しい!!
〔★凛はガチでダメージを受けていた★〕
「ああ?なにウソくせぇ芝居してんだ、4代目?」
(いや、演技じゃなくて、本当に痛いんだって!)
〔★相手は凛の芝居だと思っている★〕


