「しかも、最後に鳴神瑠華を犯した記録係だ。ビデオカメラで撮影してた男だよ。円城寺君、ちゃんとこいつも、『龍背威鎧』から続く今回の事件の真相を、全部しゃべりましたよね?」
「・・・・・ああ、しゃべった。」
アドリブで言えば、珍しく円城寺君が話を合わせてくれた。
「聞くに堪えないえげつないレイプ内容だった―――――――――ぜっ!!」
バキッ!!
「ごふ!?」
語尾を強くして叫ぶと、握ったこぶしを拘束してる敵に叩き込んでくれた。
「ぐえええ・・・・」
それで動かなくなる偽物の証人。
「あ、困りますよ~円城寺君?」
「うるせぇ!!」
どうやら、円城寺君が茶番に付き合ってくれるのはここまでらしい。
「どういうことだよ、凛!!?大河!!?」
ここまでの流れがわからず、困惑気味に叫ぶカンナさんに笑顔で伝えた。
「鳴海瑠華が、速水亜都子を守るために自分の身体を、ゲスな元カレとその仲間に差し出したことを、速水亜都子はもちろん、速水亜津司も神代龍志達も知らないと言うことですよ。」
「はあ!?」
カンナさんが驚いたのは当然だけど、
「そんな・・・・!?」
亜都子ちゃんも、
「う・・・嘘だろう・・・・!?」
速水君も、
「瑠華・・・・!!?」
神城さんも驚いた。
目を見開くカンナさんとは違った意味で、あぜんとする亜都子ちゃんと速水と神城さん。
その様子に笑顔で対応しながら、私はさらなる嘘を吐く。
「今回の件も含め、元カレの永山グレイトが過去に、『闘邪駆鬼』の看板傷つけるためにしたことも、龍志に恥かかせて、瑠華さんと別れさせるための最低のシナリオを書いたことも聞いた。俺のスマホに証言録音できてるけど、ここで聞いてみるかい?」
そんな録音なんてされてないスマホを取り出して見せながら、はったりをかます。
それで全員に動揺が走り、ざわつき始める。


