「な、なにしやが!!?」
「お前が平気とか言うなよ!!!」
言葉にしたら、思い出してしまった。
「レイプ未遂が平気とか言うなっ!!!」
レイプされかけたことを思い出して涙が止まらない。
「あんな・・・!」
あんな怖い思い、大丈夫なわけない!
「俺は――――――レイプされかけたことはない!!!」
菅原凛はあるけど、凛道蓮はない。
なので、ないことを前提に話をした。
「だから想像で言うしかない!どれだけ怖い目に合ったか、考えるしかないないんだ!」
「な!?お、お前、なに泣いてー!?」
「悪いか!!?泣いて悪いか!?泣けて悪いか!?レイプ未遂を考えて――――――体験してない俺が、自分が瑠華さんの立場で同じ目に合ったらって想像して泣けてくるんだぞ!?それだけ瑠華さんはつらい思いしたのに、それさえもお前らはわからないのか!?」
「っ!」
言い返してこない相手を私は怒鳴る。
「襲われてないからわからないよな!?被害者が最初から嫌ってる女だったら、なおさらだろうな!!?お前鳴海瑠華が、大嫌いだもんな!!?鳴海瑠華を理解する気がないからわからないよな!!?」
事実を口にしたら、胸に押し込めていた怒りが爆発した。
「速水くん達は最低だ!!お前らのやったことは、見た目だけで鳴海瑠華を判断して、証拠もないデマを信じて、テメーらが崇拝するカリスマ総長の神代龍志にはふさわしくない女だって理由を集めて追い出すっていう嫌がらせだもんな!!!?」
「え!?どういうこと、亜都司お兄ちゃん!!?瑠華姉が埼玉から消えたのは――――――!!?」
「くっ、違う、亜都子!!黙れ凛道蓮!!!そいつは龍志の、俺らの総長の女には不向き―――――――」
「不愉快な真似したんだもんな、速水君!!?瑠華さんがお前にそんな迷惑かけたってんだよ!!?総長の女って立場でなに言ってきたか!?お前達を顎で使ったか!?パシリにしたか!?馬鹿にしたか!?総長様に嘘でも吹き込んで、ヤキでも入れられたか!?いじわるじゃすまない外道な真似をされたのか!!?」
「そ、それはねぇーけど!!!お前に関係な――――――」
「答えろ!!!!」
「~~~~~~~~~~~ケッ!だれが泣き虫相手にまともに話すかよ。」
「やっぱりやってませんでしたか。」
速水の返事で涙が止まる。
怒りやらなんやらの感情がスーと冷める。


