彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)






「ひっ!!違う!!瑠華もさらえって言ったのも、この場所と亜都子を提供してくれたのも、九条アキナだよ!!!俺はそそのかされたんだ!!!」

「だったら、そそのかされなければよかったんだ。」

「ううっ!!」





怒りで身体が震える。





「お前に協力したのは、本当に九条アキナという女なのか?」

「そうだよ!本当だ!美涼に聞いてくれ!あいつが連れてきたんだ! 」

「美涼が?」

「そうだよ!俺のとこで働きたいって売り込んできて、手土産で紹介してきたのが九条アキナだ!」





その言葉で気づく。





「美涼は!!?」

「あん?」

「!?しまった!!」





にぶい速水くんと違い、意味を察した神城さんが動く。





「美涼はどこですか!!?」

「あ!?いない!?」

「野郎逃げたか・・・・・!!」





速水くんと神城さんがそう言った時だった。





「うわぁああああああーん!!」





クズが狂ったように叫び、神城さんにタックルした。





「う!?」





不意をつかれる神城さん。

その隙に、一人ドアから逃亡するクズ。





「しまった!!」

「待てコラ!!」

「待ちなさい!!」





閉まりかけのドアに、速水くんと共にかけよる。





バーン!!


「ぶっ!?」


「え!?」





ドアにさわる前に扉が開く。

そのドアに顔を打ち付ける速水くん。

私は一歩手前でよけれた。





「なに!?」





構えながら開かれたドアを見れば――――――――






「ウェイウェイウェイ!龍星軍さーんじょー♪」

「凛さんご無事ですか!?」

「凛、大丈夫か――――――――って!せまいんだよテメーら!!」

「うははは!なんや、永山グレイトが飛び出してきよったから殴っといたで~!?」

「みなさん!?」





現れたのは、龍星軍の仲間達。

ちーちゃんと可児君とカンナさんと、ノックアウトされた永山グレイトを引きずっているヤマト。

そんな仲間達が、我先にとドアから入ろうとして引っ掛かっていた





「どけ!」

「俺が先だ!」

「あたしだよ!」

「あかん!進めんわ~!うはははははは!!」


「譲り合ってくださいよ!!?」





〔★みんな自己主張が強かった★〕