本気の一発ぶち込んめたので、私はスッキリした。
(あとは、警察に任せよう。)
そう思えるだけ、心を落ち着かせることができた。
私は、凛道蓮はそれで落ち着いたけど、神城さんはそうはいかなかったらしい。
「オラ!だれが寝ていいっつった!?」
ゴバッ!ドスッ!バキッ!
倒れたクズを、神城さんが殴る蹴るする。
「う!?ぐ!?げっ!?こ、殺さないでくれ!」
「殺すか!半殺しの生き地獄味あわせてやる!!」
バコ!ミシミシ!ドギャン!
(うわ・・・・あれ、半殺しってレベルじゃないでしょう?)
下手したら死ぬんじゃないと思うような暴行を始める神城さん。
止めるべきか迷う私とは裏腹に、速水兄妹が動いた。
「やめろ、龍志!!」
「そうだよ、龍ちゃん!!龍ちゃんが悪くなるよぉ!!」
「そうだ!オメーが手を汚すな、龍志!!俺が殺す!!!」
「それもダメ!!お兄ちゃーん!!!」
「ああん!?オメーさらっておいてこのままサツに渡せるか!!」
「や、やめてくれ!俺がさらったんじゃない!持ってきたから、仕方なく―――――――」
「『持ってきた』って?」
「ひっいいぃ!!?凛道蓮!!」
思ったより低い声が出た。
そんな私にビクビクしながらクズは言った。
「そ、そうだよ!黒幕は俺じゃない!九条アキナって女だ!」
「――――――――――――なんだと!!!!?」
思わず永山グレイトに、つかみかかる。
「ひいいい!!」
「言え!!!九条アキナの仲間なのか!!!?」
「ち、違う違う違う!スポンサーだ!エロい女で、俺がここで商売できるようにしてくれたんだ!!」
「九条アキナが!!?」
「えっ!?」
(あいつがからんでいたの!!!?まさか―――――――――――――!!?)
「瑠華さんをさらったのも、九条アキナか!!?」
「いや、瑠華は俺が~」
「ああ!?なにが違うだ!?やっぱテメーが悪いんじゃねぇーか!?」
横から神城さんが、永山グレイトにつかみかかる。


