彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)






私を見る永山グレイトは、完全に戦意はなかった。





「許してくれ!こ、こここ、降参する!!」

「許さない。」





謝るバカの申し出を拒否する。





「おう、俺も許せねぇぜぞ!!!」

「俺らだろう!?」





亜都子ちゃんの側にいるツッパリ2人もうなる。







「「オメーは許せねぇぞ・・・!!」」

「決まりだな。オメーは、有罪だ・・・!!」







声をそろえる神城さんと速水くんに、私も同意しながら言い放つ。





「亜都司、妹の側から離れるな!」





神城さんが亜都子ちゃんから離れながら、相棒である速水君に告げる。

目を吊り上げた速水君がそれにうなずき、亜都子ちゃんを抱き寄せる。






「永山偉人、許せねぇ・・・!許さねぇ・・・・!」

「ああ、このクズだけは許してはいけません・・・!」

「坊や!龍志!殺すのは―――――――――!!」

「わかってます、瑠華さん。」

「おう、殺しはしねぇよ。」


「「半殺しだ・・・!!!」」






示し合わせたわけじゃないけど、私と神城さんの声がそろう。

気持ちが1つになる。





「ひっ、助けてくれ!」





そんな私達にビビり、床を後ずさりしながら逃げる永山グレイト。

私も瑠華さんから離れ、神城さんと共に永山グレイトを追い詰める。





「よくも・・・!!」

女の純情を!!

「よくもっ!!」

体と心を汚そうとしたな!!

「許さない!!」


「ま、待ってくれ!もうーもうこんなことは、2度と~!!」

「あ?2度としねぇとでも言いてぇのか!?」





永山グレイトの言葉を、神城さんが鼻で笑う。





「なめてんのか!?これで4度目の悪事だろーが!?いつまでも次があると思ってんだコラ!!?」

「同感ですね~お前は神城さん経由で埼玉県警に引き渡されるんだよ。年少じゃなくて刑務所にぶちこまれんだよ!」

「助けてくれ!ゆ、ゆるし~」

「「許すかぁぁぁ!!?」」




ゴバ―――――ンッ!!





そろえたわけではないけれど、神城龍志の右のコブシと、私の左のコブシが、永山グレイトの顔面にヒットした。





「おぶああああああ!!!」





それで、けいれんをおこしながらひっくり返ったゲス野郎。



〔★制裁のダブルパンチがさく裂した★〕