「瑠華さん、大丈夫ですか!!?」
「あ、あたしより、あっちゃんを―――――――・・・・!」
「そうだ、亜都子!!?」
「亜都子っ!!」
私が瑠華さんの安否を気遣う声をあげれば、神城さん達も亜都子ちゃんにかけよっていく。
でも、私にはそんなことどうでもいい。
「る、瑠華さん、瑠華さん!?無事ですか!!?」
「え、ええ・・・。」
私が羽織らせた特服に身をくるんだ美女が、何度も首を縦に振る。
その顔には、明らかな殴られたアトがあった。
顔だけじゃない。
腕にも、足にも、擦り傷や青あざがついていた。
特服で見え隠れする場所も、ところに暴行のアトが―――――――――――
(こんなの、全然、大丈夫じゃ――――――――――――!!!)
「あたしは、大丈夫よ・・・」
「違う!!!」
「ぼ、坊や?」
「違う違う違う!!!」
私を見て、瑠華さんが目を丸くする。
(どうして・・・!?)
「・・・どうして、坊やが泣くの・・・?」
瑠華さんの言葉で、自分が泣いているとわかった。でも、それどころじゃない。
「どうして大丈夫だなんて言うの!!!?」
(大丈夫とか違う!違う違う違う!違う!)
「大丈夫なわけないんだよ!!」
「坊や!?」
「襲われて大丈夫なわけがないよっ!!」
「ぼ・・・!」
「うえぇぇぇーん!!」
私でも、瑠華さんでもない声が泣く。
「亜都子ちゃん。」
「う、うえええ!うええええ!大丈夫じゃないよっ!怖かったよぉ・・・!」
「――――亜都子!」
「亜都子ぉ!!!」
ボロボロ泣く美少女を、兄と恋人が抱きしめる。
「うっ・・・・!」
その姿に、ますます涙が流れる。
「な、泣かないでよ、坊や!坊やがひどい目にあったんじゃないのよ!?あっちゃんは無事だし、あたしも平気!やられてないのよ?」
「それが違うんだよっ!!」
「え?」
「やられてないとかそんな問題じゃない!!怖い思いをしたのは変わりないでしょう!!?」
「坊や・・・!?」
「瑠華さんが、平気じゃないのに我慢するのがイヤなんだっ!!」
「ッ―――――――――!!」
そう叫べば、瑠華さんが片手で顔を覆う。
見てられなくて背を向けたら、永山グレイトと目があった。


