彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)







ゴキ!

「ひっ!?」





瑠華さんにくっつく5人のうちの1人をトンファーで頭を殴る。





ボキッ!





殴り終わった動きから2人目のアゴを叩く。





「がっ!?」





ひるんだ3人目の足を踏み、動きを止めたところで、反対の手のトンファーでノドをついた。





ドス!

「ぐえ!?」

「な、なん!?」

ドドドド!

「ぶ!ぶ!ぶ!ぶぐ!?」





なにかしゃべった4人目の顔面を、トンファーで往復連打。





「ひい!」





顔を引きつらせ、瑠華さんから離れた、背を向けて逃げる五人目の背中にタックルする。





ドン!!

「うわ!?」





突き飛ばして転んだところを、髪をつかんで仰向けにし、みぞおちにトンファーを打ち込んだ。






ドフッ!

「おえぇえ!!」


「ぼ、坊や・・・!?」






そう言って私を呼ぶ美女に、私は特服を脱いで素早くその身体にかけた。






「り、凛道蓮!?テメーなんでここがわかった!?」


「凛道さん!」






慌てる半裸の永山グレイトの横には、下着姿の亜都子ちゃんがいた。






「永山グレイト・・・亜都子ちゃんまでも、こんなことを・・・?」

「亜都子!!!」

「亜都子ぉぉぉ!!!!」

「お兄ちゃん!!龍ちゃん!!」

「うるせぇ動くな!動くと速水亜都子を―――――――――!!」


「――――――――――――――――――お前を殺す。」






亜都子ちゃんにナイフを向ける永山に、そんな声がかけられた。

腹のそこから絞り出した声。

それが私の声だとわかった時、身を低くくし、永山グレイトに直進した。





ガッ!





ナイフを持つ手首をつかむ。

その手をそのまま指先へとスライディングして―――





ゴキ!

「ギャッ!?」





小指を曲げる。

折った。





カチャーン!

「ぎゃああああああああ!!」





それでグレイトの手から、するりとナイフが落ちる。

そのままグレイトの腕をたたんだ。

曲がらない方向へたたみこんだ。







ボキボキボキ!!

「あぎゃあああああああああああああああああ!!!」







自分でこぶしを鳴らす時とは違った、重い音がした。

そうだよね。

指の骨と腕の骨だと、太さ違うもんね。

音も違ってくるよね。