彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「亜都子ちゃん・・・!」



亜都子ちゃんの声はするけど―――――――





「瑠華さんは・・・・!?」





聞こえてくるのは亜都子ちゃんの声だけ。

それに気づいた時、言いようのない不安が私を襲う。





(まさか・・・悲鳴すら上げられない状態なんじゃ――――――!!?)

「瑠華さんっ!!」





スマホを持って、走って、私も階段をかけ上がる。

二段飛ばしで登る。





「開けろぉ!なんで開かねぇんだっ!!?」

「ここもコード認証かよ!?」

「それならここに!!」

(スマホ、拾っててよかったっ!!!)





扉の前で足止めされている二人を押し退けて、持ってきたスマホ画面をかざす。





ピピッ!カチャン!

(開いた!!)





そう確信しながら扉を押す。





「瑠華さんっ!!!亜都子ちゃ―――――――ん!!」





前のめりになりながら部屋にかけこむ。





「!?」

(え・・・・!?)





部屋に入ってすぐ、動けなくなった。






「な、なんだ!?」

「だれだ!?」

「味方か!?」





目に飛び込んできたのは、裸の瑠華さんに覆い被さる男達。






「え・・・・・・・・・・・・・?」






-こいつ反応しないよな-

-抵抗も足りないなぁ~裸にすれば、また違うか?-

-撮影、撮影!-






その様子が私の中の記憶と重なる。





―おさえろ!おさえろ!―

―お前、早く代われよ!―





悪夢をリプレイさせてしまう。






―俺らは優しいから安心してくれよ、巨乳ちゃん?―

―今、大人の保健体育、教えてあげるからな~―

―それじゃあ~いただきまーす!―





頭の中で反響する声と映像。







「―――――――――――――――あああああ!!!」








自然と叫んでいた。

身体が動いていた。