「亜都子ちゃん・・・!」
亜都子ちゃんの声はするけど―――――――
「瑠華さんは・・・・!?」
聞こえてくるのは亜都子ちゃんの声だけ。
それに気づいた時、言いようのない不安が私を襲う。
(まさか・・・悲鳴すら上げられない状態なんじゃ――――――!!?)
「瑠華さんっ!!」
スマホを持って、走って、私も階段をかけ上がる。
二段飛ばしで登る。
「開けろぉ!なんで開かねぇんだっ!!?」
「ここもコード認証かよ!?」
「それならここに!!」
(スマホ、拾っててよかったっ!!!)
扉の前で足止めされている二人を押し退けて、持ってきたスマホ画面をかざす。
ピピッ!カチャン!
(開いた!!)
そう確信しながら扉を押す。
「瑠華さんっ!!!亜都子ちゃ―――――――ん!!」
前のめりになりながら部屋にかけこむ。
「!?」
(え・・・・!?)
部屋に入ってすぐ、動けなくなった。
「な、なんだ!?」
「だれだ!?」
「味方か!?」
目に飛び込んできたのは、裸の瑠華さんに覆い被さる男達。
「え・・・・・・・・・・・・・?」
-こいつ反応しないよな-
-抵抗も足りないなぁ~裸にすれば、また違うか?-
-撮影、撮影!-
その様子が私の中の記憶と重なる。
―おさえろ!おさえろ!―
―お前、早く代われよ!―
悪夢をリプレイさせてしまう。
―俺らは優しいから安心してくれよ、巨乳ちゃん?―
―今、大人の保健体育、教えてあげるからな~―
―それじゃあ~いただきまーす!―
頭の中で反響する声と映像。
「―――――――――――――――あああああ!!!」
自然と叫んでいた。
身体が動いていた。


