彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




海沿いの道に沿って、建物は立っていた。

なんの建物かは、遠目でも判断できた。





「大きな倉庫ですね・・・!?」

「・・・。」


ギュウオオン!

キキッ!


「え!?」





突然、バイクが止まる。





「ヘルメットマンさん?」

「・・・。」





相手は無言で右手をあげる。

上げた右手で、なにかを追い払うような動きをする。





(これって・・・・・?)

「降りろってことですか・・・?」

(たぶんそうじゃないかな??)





自信はなかったけど、試しに後部座席から降りてみる。

それで追い払う動きは止まる。

正解だったらしい。



〔★凛は、ヘルメットマンのジェスチャーを理解した★〕



「じゃあ・・・降りますね・・・?」

「・・・。」

(なんでここでおろすのかな?近くまで行ってくれてもいいのに・・・いやいや乗せてもらっておいてダメだよ!ガソリン代も出して・・・あ!?ガソリンがないからここまでなのかな?)





チラッとメーターを見たけど、しっかり入ってる。





(ガソリン不足じゃないのか・・・?)





とはいえ、タダ乗りはよくない。





「あの!ガソリン代はおいくらですか?」





財布を出しながら聞けば――――――――





「・・・。」

「え!?」





右手が再び動く。

バイバイの手の動きをする。





「つまり受け取れないと!?でも!」

「・・・。」





バイバイしていた手が下ろされる。

その手が上がった時、あるものを握りしめていた。





「あ!?僕の携帯!?」





先ほど渡した私物。

私の見てる前で、ヘルメットマンさんが画面を押しはじめる。





「え!?なにをなさってるのですか!?」

「・・・。」





私の問いに相手は、無言で画面から手を離すと、その画面を私に見せながら差し出してきた。





「え!?これ・・・地図!?」





倉庫がアップで表示されたGoogle地図。

その地形は、ヘルメットマンさんが持っていたアプリ地図と同じだった。

ということは、瑠華さんがいる建物の地図!





「僕の携帯に入力してくれたのですか!?」


ビシッ!





私の声にあわせて、左手をのばすヘルメットマンさん。

指差した方を見れば、倉田倉庫と書かれた看板があった。