「すみませんが、『吉野原』までお願いします！」

「ちょっと待て！」




スマホの地図を見せていたら、神城さんが私の肩をつかんできた。




「あ、すみません。定員オーバーです。」

「違う！乗せろって意味じゃない！！」

「わかりました！瑠華さんと一緒に亜都子ちゃんもいるはずですから、一緒に助けに行きましょう！」

「わかってねぇよ！そいつはお前さんの知り合いか！？４代目さん！？」

「顔がわからない顔見知りの親切な方です。」

「不安しかない返事だな、おい！？そんなに簡単に信じていいのか！？」

「僕らを助けてくれたじゃないですか？」

「どこがだ！？４代目さんよ、あんたが配信をきったことは時間稼ぎとはいえねぇ！」

「そうだそうだ！！亜都子に何かされてたら――――――！！」

「だからこそ！！永山のところに急行します！奇襲をかけます！」

「「な！？」」

「日本じゃ、待ち合わせ時間より早くいくのがマナーです！」


ギュウオオン！





私の言葉に答えるように響くバイク音。





「神城さん、速水くん、目的地は『吉野原』です！ついてくるかは、自己判断に任せます！」


ギュウオオン！


「それではごきげんよう！」






私をのせたバイクが発進する。







ギュウオオン！ギュウオォオォ――――――――ン！



（・・・すごく飛ばしてる。）








強い風圧を受けながら思う。

馴れ馴れしいと思ったけど、強い風圧から逃れるためにヘルメットマンさんにくっつく。

それでさらに加速したけど、拒否されなくてホッとした。




オオン、オン！

グワン、グワン！


「待て凛道蓮！」

「４代目さん！！」




後ろから速水くんの声。

ミラーをのぞきこめば、私達についてくる神代さんと速水君がいた。





（よかった。ついてきてくれてる・・・・・）





ホッとしながら、運転してる方に伝えた。







「ヘルメットマンさん！ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします！」



ギュウオン！ギュウオン！ギュウオォ――――――ン！








返事のように、直管コールで答えるヘルメットマンさん。

こうして私達は、瑠華さんと亜都子ちゃんのもとへと急いだ。











～切磋琢磨！御用がゴールの表ぶたい！裏ぶたい！～完～