その人はバイクを運転しながら、『GREAT STAGE』の関係者達をバイクで蹴散(けち)らしていく。
バキ!
「痛い!」
ガス!
「やめて!ひかなっ、ぐえ!」
ドカッ!
「助け――――――あうっ!!」
メリメリ!!
「あぁぁああぁ――――――!!」
殴りながらはね、ひきながら叩いていた。
(えええ!?)
あっという間に人垣(ひとがき)を一周して、私の目の前で止まる
キキー、ブーン!!
急停止にあわせて、竹刀の先でレフリーの首を突いた
「おえ!!?」
それで前のめりになったところを、頭部めがけて竹刀を叩きこんだ
バシ!
「ぐえ!?」
たおれこみ動かなくなるレフリー。
その手から滑り落ちたタブレットは――――――
ベキッメキッ!!
「あ。」
バイクの前輪でつぶれた。
「「あー!?タブレットが!」」
声をそろえて叫ぶ神城さんと速水くん。
画面割れてる、中身が見えてる。
(もう使えないわね・・・・・。)
「テメー!?なんのマネだっ!!?」
「・・・。」
速水くんの問いにこたえることなく、持っていた竹刀を神城さんに投げ渡すヘルメットマンさん。
「!?おい!?」
戸惑う神城さんを無視すると、バイク手袋をした手でチョイチョイと私を手招きした。
「僕?」
近づけば、バイクの後ろをトントンと叩く。
「乗れってことですか・・・?」
ギュウオオン!
私の言葉をこうていするように、バイクを私に横付けし直したヘルメットマンさん。
「・・・もしかして、瑠華さん達のところに連れていってくれるのですか?」
ギュウオオン!
エンジンをふかす姿を同意とみなす。
「ありがとうございます!!」
よくわからないけど、協力してくれるらしい。
ありがたい気持ちで、相手の肩に手をかけてから乗る。
そして、ヘルメットマンさんの腰に軽く腕を回しながらお願いした。


