「俺達にはスマホも、テレビ電話もある。通信手段はいくらでもある。偉人さんがリアルタイムで見てなきゃ、いけないってこともない。ここにいる俺達が報告する。タブレットが使えなくなっても良い。俺達には仲間がいるのはそのためだ。ただのレフリーとギャラリーじゃない。伏兵だ。」
(つまり、時間稼ぎにもならないってことか・・・!?)
「『闘邪駆鬼(とうじゃくき)』でもだめだったのに、この場でたった一人のお前になにができる~凛道蓮!?」
下品な笑い声が次々に上がる。
神城さん達も渋い顔をする。
(これはピンチかも・・・)
自分の不利を悟った時だった。
ギュウオオン!!
ドゴーン!
「ぎゃん!?」
「え!?」
異変が起きたのは私の背後。
砂ぼこりが舞い上がる中、1台のバイクが私達を取り囲んでいる人をはねた。
「ええ!?」
(なにごと!?)
〔★人身事故が発生した★〕
「な、なに―――――――――――!?」
ギュウオ、ギュウオン!
レフリーが驚愕する声と、聞き覚えのあるバイク音が重なる。
バコーン!
「ぐあ!?」
「ぶひゃん!」
男も女も関係なく跳ねる1台のバイク。
バキ!
「ぐお!?」
ドス!
「あぎゃ!?」
しかも木刀・・・じゃなくて!竹刀を振り回しながら、人をはねていく。
「な、なんだなんだお前!?誰だ―――――――!?」
さわぐレフリーが指差したのは―――――――――――
(―――――――――ヘルメッタマンさん!?)
フルフェイスヘルメットの人物。
最近いつも、私を助けてくださる方だった。


