チラチラと背後の位置確認。
「もらった!」
神代さんの拳がお腹に迫る
(―――――――――今だ!!)
拳の動きにあわせて後ろに飛んだ。
やられたような声を出した。
「うわあー!」
「あん?」
ドン!
「ぐあ!?」
「なっ!?」
「ぎゃー!?」
「――――――――――うおおお!!」
後ろに押されるふりをして、レフリーとその手下数人にわざとぶつかりに行った。
ドスン!!
「わぎゃん!?」
タブレットを持っていた敵を下敷きにして、巻き込みながら倒れる。
ガシャン!
(よし!)
レフリーの手からタブレットが離れる。
「あー!?いたーいっ!」
(と言いつつ、えい!)
どさくさに紛れて、画面の電源を落とす。
素早く配信を切る。
ついでに、パキッと音がするまで地面に押し付けた。
「あ!?テメーなにしてる!?」
私が手に持つ画面真っ暗なタブレットに気付き、レフリーが慌てて身を起こす。
「返せ!てか、わざとぶつかってきたな!?」
「いたぁ~違いますよぉ~あたって、すみませーん!うう・・・お腹への一撃でむせるぅ~ゴホゴホ!」
お腹に食らった不利をして咳き込む。
「何が違うだ凛道!?撮影の妨害しやがって!減点だぞ!?」
「すみません!気を付けます!」
「いいから返せ!壊れてないだろう・・・壊れてるじゃねぇか!?」
「え!?これ、充電がなくなったんじゃないですか!?」
「壊れてんだよ!!」
怒鳴りつけるレフリーに、内心ほくそ笑むが―――――
「くっくっくっ!まぁいい!壊れても大丈夫だ。」
「え!?」
明るい口調でレフリーは言う。


