「逃げんな!戦え!」

「お断りします!」

「攻撃してこい!」

「嫌です!」

「だったら勝たせろ!殴らせろや!」

「もっと嫌です!」

「なんもかんも嫌とか、いい加減にしろ!俺がテメーを半殺しにしないと――――――――・・・・・・!!」

「なんですか!?」




〈速水亜都子ちゃんは返せないな!〉






神代さんじゃない声が言ったした。



(この声は!?)

「レフリー!?」



審判の男が、私達にタブレットを向けていた。

そこに写っていたのは――――――




(永山グレイト!?)





警察が踏み込んで、逮捕したんじゃなかったの!?




〈やっと顔見て話せるな、4代目・・・!?よくも、うちの店をサツに売ってくれたな!?〉

「・・・・・なんのことですか!?」

〈とぼけんな!あいにく、サツにパクられるほど馬鹿じゃねぇんだよ、俺は!〉

「なるほど・・・大馬鹿ということですね。」

〈黙れ!テメーもバカだぜ!おとなしく、金で俺にやとわれてればよかったもんをよー!〉

「神城さんに何をしたんですか?」

〈うるせぇ!テメータイマンなんだから、逃げずに神代をボコれよ!〉

「お断りします!!」

〈じゃあボコられろ!!〉

「断固拒否します!!」

〈神代、うざいから早く片付けろ!!〉

「わかってる・・・・・!!」

「神城さん、何故ですか!?永山は敵でしょう!?それが言いなりになるなんて・・・!?」



「――――――――――そうしねぇと、亜都子が無傷でかえってこねぇんだよ!!!


「速水くん!?」






答えたのはシスコンの人。





「あいつら、亜都子をさらいやがったんだ!!」





そう言ってメンチをきる目は、レフリー側の画面に向けられていた。







〈凛道蓮のおかげで、夜逃げだぜ!稼げる場を奪った落とし前に、オメーがズタボロになる姿ぐらい見ないとわりにあわないからな。〉







液晶の板の中で笑う永山グレイトに怒りが再燃する。