(――――――――――よけなきゃ!!)

ブン!

「ちっ!」





空振り。

そくざに反応したおかげでダメージ0。

よけたけど今の一撃でわかった。




(相手は本気・・・!!)




これは逃げた方がいい!!



そう判断して、神代さんから離れたのだが―――――――




「逃げるな4代目!」

「つーか、逃がさな~い。全員集合!!」




レフリーの合図で波がきた。



「うおお!」

「凛道逃がすな!」

「え!?なに!?」



人の波がきた。

作りかけの鉄筋から。

コンクリートブロックの山のかげから。

大声をあげながら集まってきた。




「なんですか、この人達!?」

「『GREAT STAGE』に借金して返せなくなった馬鹿達だ。」

「え?」





その言葉で気づく。




(あそこの二人、闇金屋さんが探してたゲーム馬鹿夫婦じゃない!?)




顔色悪いけど間違いない!




「みんな~円陣組んで!凛道蓮が逃げないように囲めよー!」

「「「「「はい!!」」」」」

「『闘邪駆鬼(とうじゃくき)』もだよ!」

「オメーら、囲め囲め!」



神城さんの指示で、じゃくとうき達が私達の回りを取り囲む。

その中に速見くんの姿もあったが・・・・

具合悪いの?そう聞きたくなるような顔色。





(なにかあった・・・?)

いや、違う。

(なにかがあったから、こうなってるんだ・・・!!)




「はいはーい!それじゃあ試合開始!」

「オラ!」





理由はわからないけど、戦うわけにはいかない。




(よけるしかない!)

「凛道蓮!俺と戦え!!マジで来いや!!」





そんな私に、神城さんの口調も荒くなる。