「凛たん賢いな~♪」
「馬鹿!飛び道具使うなんざ、俺は許せねぇぞ!?」
「ご、ごめんなさい、お兄ちゃん!もうしません!」
瑞希お兄ちゃんの印象がよくないとわかって、ポケットにしまう。
「今しまうな、今!戦闘中だろう!?」
「てか、凛たん危ない!!」
グワン、グワン!
爆音が響く。
背後からゆるやかにバイクが近づく。
「神代さん!?」
「闘邪駆鬼(とうじゃくき)の頭!」
バイクを蛇行させがら、笑顔で私の方へ来た。
「どうしてー!?」
「――――――――悪いな!」
ガバ!
「え!?」
両足が地面から離れる。
「一緒に来てもらうぜ!」
「ええ!?」
「凛!?」
「野郎!?凛たんをさらいやがった!!」
(え!?私さらわれたの!?)
その言葉を理解した時、私は神代さんに抱えられ、瑞希お兄ちゃん達から遠ざかっていた。
(えー!!!?)
「神代さん!?どういうことですか!?」
「・・・。」
私の問いかけに、埼玉ヤンキーは答えない。まっすぐ前を向いたままで、こちらを見ようともしない。
「僕のこと、誤解してますよ。」
だから伝えた。
「僕の家、お金がないので、身代金は期待しないで下さい。」
「・・・。」
(ムシかよ!?)
〔★凛の問いかけはスルーされた★〕
(身代金目的じゃないの?となると、考えられる可能性は―――――・・・)
「滞在費がピンチだから、僕の身代金をあてにしてるのですか?残念ですが、我が家にお金はないです。」
「・・・。」
(またムシかよ!?)
〔★凛の問いかけはまたスルーされた★〕


