彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)





「凛たん賢いな~♪」

「馬鹿!飛び道具使うなんざ、俺は許せねぇぞ!?」

「ご、ごめんなさい、お兄ちゃん!もうしません!」



瑞希お兄ちゃんの印象がよくないとわかって、ポケットにしまう。





「今しまうな、今!戦闘中だろう!?」

「てか、凛たん危ない!!」


グワン、グワン!






爆音が響く。

背後からゆるやかにバイクが近づく。





「神代さん!?」

「闘邪駆鬼(とうじゃくき)の頭!」






バイクを蛇行させがら、笑顔で私の方へ来た。







「どうしてー!?」

「――――――――悪いな!」

ガバ!

「え!?」








両足が地面から離れる。






「一緒に来てもらうぜ!」

「ええ!?」

「凛!?」

「野郎!?凛たんをさらいやがった!!」



(え!?私さらわれたの!?)






その言葉を理解した時、私は神代さんに抱えられ、瑞希お兄ちゃん達から遠ざかっていた。




(えー!!!?)

「神代さん!?どういうことですか!?」

「・・・。」








私の問いかけに、埼玉ヤンキーは答えない。まっすぐ前を向いたままで、こちらを見ようともしない。




「僕のこと、誤解してますよ。」




だから伝えた。




「僕の家、お金がないので、身代金は期待しないで下さい。」

「・・・。」

(ムシかよ!?)



〔★凛の問いかけはスルーされた★〕




(身代金目的じゃないの?となると、考えられる可能性は―――――・・・)




「滞在費がピンチだから、僕の身代金をあてにしてるのですか?残念ですが、我が家にお金はないです。」

「・・・。」


(またムシかよ!?)





〔★凛の問いかけはまたスルーされた★〕