彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「凛は前科があるからな・・・・」

「ちょ瑞希お兄ちゃん!?前科って何ですか!?」

「一ノ瀬ますみ。」

「瑞希お兄ちゃん!?」

「小林涼子。」

「瑞希お兄ちゃんてば!?なんでますみちゃんと涼子ちゃんの名前を言うの!?」



〔★それが瑞希にとっての凛の前科だ★〕



「なんでますみちゃんと涼子ちゃん!?」

〈そうなんすよ!高千穂はもちろんですが・・・小林涼子と一之瀬ますみがいる前で、言いやがったんですから!〉

「可児君、そっちの心配!?」

〈そうでしょう!?車ごと店に突っ込んで・・・店がめちゃくちゃっす!〉

「はあああああああ!?俺の家に車で!?」

「瑞希お兄ちゃんのご自宅兼店舗に突っこんできたの!?」

〈はい、運転席に人はおらず、代わりに、今お話した内容が手紙に書かれていまして・・・〉

「ぶっ・・・ぶっ殺す!!」

「よくも俺の店をー!」

「俺らの家とも言うだろう!?」



〔★凛は怒り、瑞希も怒り、烈司は冷静にツッコんだ★〕



「凛たん!さらったって言う彼女は、鳴海瑠華のはずだぜ!」

「烈司さん!瑠華さんは僕の彼女ではないですよ!」

「そうだとしても、さらわれたのは鳴海瑠華だ!あやめちゃんが、そう電話してきてんだよ!」

「え!?それヘルプコールだったんですか!?」

「大正解。」



確認する私に、怖い顔と声で肯定(こうてい)してくれた烈司さん。



「あやめママちゃんには毛がないけど、そっちどうなんだ、凛たん!?」

「あ!?そうでした!可児君っ!!君は大丈夫ですか!?みんな無事なんですか!?人間の方は!?」

〈はい。ありがとうございます。俺を含めて全員無事なのですが・・・・その・・・〉

「なんですか!?」

〈あのですね・・・・凛さんがこの場に帰宅すれば、狂暴化した女2人に殺されますので~〉

〈誰が狂暴化してるだ、ハゲ!?〉

〈ちょっとーりっ君と電話してるの!?どういうことよ、りっ君!?〉



電話口から、噂の女2人の声がした。