彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「ガキあつかいすんな、烈司!」

「ハハハ~♪じゃあ、凛たんを~」

「わわ、瑞希お兄ちゃーん!」

「凛を抱き枕にすんな!返せ!」



そうやって、3人でわちゃわちゃしていた時だった。




ピルピルピル♪




烈司さんのスマホが鳴る。



「あ、待ってましたぁ~あやめママちゃーん♪」



それで烈司さんの機嫌がますますよくなる。



「『あやめ』って、瑞希お兄ちゃん・・・・・?」

「おう。鳴海瑠華の保護者のツバキさんのことだな。」

「大正解♪女性から、おもてなしのご奉仕デート受けるのは久々だからなぁ~」

「それで浮かれてたんか、オメーは!?」

「じょ、女性からのおもてなしご奉仕デートって!?」



その単語だけで、なぜかアダルトな印象が強くなってしまう、汚れちゃった、わ・た・し。





「もしもし、あやめちゃーん?デートの約束なら~・・・なにっ!?」





笑顔で電話に出た烈司さんの表情が険しくなる。






ピヨピヨピー♪

「今度は僕?」






着信を知らせる携帯。

画面をタッチして、表示された名前を呼んだ。





「もしもし、可児君?」

〈大変です、凛さん!〉

「どうしたの?」

〈『GREAT STAGE』がヒットマンを送り込んできました!〉

「ええ!?みんな無事!?」

〈無事ですが、狙いはあなたです!!〉

「僕?」

〈奴ら、凛さんの女を預かったというんです!!〉





その一言で冷静になれた。





「なに言ってるの?僕、彼女いませんけど?」

〈はあ!?フジコって女と付き合ってるんですよね?〉

「フジコ・・・瑠華さん!?」


(なんで付き合ってるってことになるのよ!?)



「僕、フジコさんこと鳴海瑠華さんと付き合ってません!!」

〈そこは問題じゃないんすよ!!奴ら、龍星軍の旗と引き換えに、凛さんの女を返すって言ってんです!!〉

「なんでそうなるの!!?」

「まずいな・・・。」

「瑞希お兄ちゃん!?」





気づけば、私の耳に当てているスマホに、瑞希お兄ちゃんも耳をくっつけていた。

話を聞いていたらしいけど―――――――




(この近距離が良い~♪)



瑞希お兄ちゃんの吐息・・・甘い香りがする~♪

胸がキュンキュンするぅ~♪




〔★凛はピンチでも、ラブチャンスに弱い★〕