「ガキあつかいすんな、烈司!」
「ハハハ~♪じゃあ、凛たんを~」
「わわ、瑞希お兄ちゃーん!」
「凛を抱き枕にすんな!返せ!」
そうやって、3人でわちゃわちゃしていた時だった。
ピルピルピル♪
烈司さんのスマホが鳴る。
「あ、待ってましたぁ~あやめママちゃーん♪」
それで烈司さんの機嫌がますますよくなる。
「『あやめ』って、瑞希お兄ちゃん・・・・・?」
「おう。鳴海瑠華の保護者のツバキさんのことだな。」
「大正解♪女性から、おもてなしのご奉仕デート受けるのは久々だからなぁ~」
「それで浮かれてたんか、オメーは!?」
「じょ、女性からのおもてなしご奉仕デートって!?」
その単語だけで、なぜかアダルトな印象が強くなってしまう、汚れちゃった、わ・た・し。
「もしもし、あやめちゃーん?デートの約束なら~・・・なにっ!?」
笑顔で電話に出た烈司さんの表情が険しくなる。
ピヨピヨピー♪
「今度は僕?」
着信を知らせる携帯。
画面をタッチして、表示された名前を呼んだ。
「もしもし、可児君?」
〈大変です、凛さん!〉
「どうしたの?」
〈『GREAT STAGE』がヒットマンを送り込んできました!〉
「ええ!?みんな無事!?」
〈無事ですが、狙いはあなたです!!〉
「僕?」
〈奴ら、凛さんの女を預かったというんです!!〉
その一言で冷静になれた。
「なに言ってるの?僕、彼女いませんけど?」
〈はあ!?フジコって女と付き合ってるんですよね?〉
「フジコ・・・瑠華さん!?」
(なんで付き合ってるってことになるのよ!?)
「僕、フジコさんこと鳴海瑠華さんと付き合ってません!!」
〈そこは問題じゃないんすよ!!奴ら、龍星軍の旗と引き換えに、凛さんの女を返すって言ってんです!!〉
「なんでそうなるの!!?」
「まずいな・・・。」
「瑞希お兄ちゃん!?」
気づけば、私の耳に当てているスマホに、瑞希お兄ちゃんも耳をくっつけていた。
話を聞いていたらしいけど―――――――
(この近距離が良い~♪)
瑞希お兄ちゃんの吐息・・・甘い香りがする~♪
胸がキュンキュンするぅ~♪
〔★凛はピンチでも、ラブチャンスに弱い★〕


