彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「オメーらが頼りにならねぇとかじゃねぇ。相手が虎なら虎、龍うなら龍で戦わなきゃ不公平だろう?」

「それだけ、ケツ持ちはヤバいのですか・・・?」

「犯罪集団の『GREAT STAGE』を救済してるような連中だぞ?堅気じゃねぇのは間違いない。」

「た、確かに!だったら僕も!僕にもお手伝いさせて下さい!ヤクザとかだったら嫌です!」

「半グレかもしれねぇだろう?」

「瑞希お兄ちゃんに何かあったらイヤですよ!」

「俺のことは心配しなくていい。」



切実な気持ちを伝えれば、瑞希お兄ちゃんは優しく微笑む。





「凛は、いまするべき自分の仕事を果たせ。まだ終わったわけじゃない。俺の言いたいこと・・・わかるよな?」

「それはつまり・・・まだ油断するなということですか・・・?」

「凛たん正解♪」

ピトッ!

「冷たぁぁい!!?」





私の問いに、背後から瑞希お兄ちゃんじゃない人が答えた。

同時に、首の後ろに冷たい感触がした。



「烈司さん!?」

「ハハハ!気持ちいいだろう~凛たん?暑い時は、首の後ろを冷やすと良いんだぜ?はいどうぞ♪」

「あ、ありがとうございます。おいくらですか?」

「おごりだからいらないよ!瑞希は280円な?」

「2倍にして俺に請求するんかい!?」

「ハハハ!そのリアクションが見たかった!請求は取り消して、おごってやるよ♪」

「ありがとよ、くそ!」

「ご、ごちそうさまです、烈司さん。」

「ハハハ!どういたしまして~凛たん♪」





やけに機嫌が良い烈司さん。



「なにか良いことありましたか?」

「あった風に見えるか凛た~ん?」



私の頭をナデナデしながら言う烈司さん。



「つーか、あっただろう!?浮かれすぎだぞコラ!?」

「あるかもな、みーずき~♪」



そう言って、今度は瑞希お兄ちゃんをナデナデする烈司さん。



「やめろ!」



それに反発し、抵抗のために私から離れる瑞希お兄ちゃん。

ああ、行かないで!やめないで!



(瑞希お兄ちゃんと密着したままがいい!!)



〔★凛は三密を希望していた★〕